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原状回復義務と敷金の精算 兵庫県宅建業者の講習より
99/02/22 A 特約のない場合 約定に基づく通常の使用収益に伴って生じる自然的損耗は原状回復義務の対象にはならない(東京高判昭38・8・31)。 借家人の故意・過失によって生じた毀損・汚損は、原状回復義務の対象になる。 例 @ 畳の表替え費用 ・・・・・・原則として対象外 A 襖の張り替え費用 ・・・・原則として対象外 B 壁紙の張り替え費用・・・・原則として対象外 結露によって発生したカビで汚れた壁紙「結露は、一般に建物の構造によって発生の基本的条件が与えられるので、特段の事情のない限り、損害賠償特約には結露による汚損は含まれない」(名古屋地判平2・1O・19) C 借家人の妻が破損した窓ガラスの修理代・・・・対象になる D 借家人の子供が穴をあけた障子の修理代・・・・対象になる E タバコのヤニで汚れた壁紙の張り替え費用・・・・原則として対象外(特約で喫煙を禁止していない場合)通常の用法に従って用いたもの対象外 B 特約のある場合 特約は、原則として有効であるが、自然的損耗について原状回復義務を負わせた特約は、賃料の額、礼金または敷金・保証金の有無、敷金・保証金の償却の有無、賃借年数、修繕に要する費用、入居時に原状回復がなされていたか否か、慣習等を総合的に判断して効力が否定される場合がある。 例 @ 入居時にきれいになっていた場合には、畳・襖・障子の張り替え費用を借家人の負担とする特約は有効とされている。 例外 ・ 賃貸借期問が短期間で自然的損耗が殆どない場合 ・敷金の償却が定められている場合 ・建物が滅失した場合 A 費用が高額な場合は、特約の効力が否定されやすい。 カーペット・じゅうたん・壁紙の張り替え費用(クリーニング費用程度は認められる) B 退去時に敷金から一定額を償却する旨の特約の効力は原則として認められている。 例外 ・賃借期間が短期間で自然的損耗がほとんどない場合 ・建物が滅失した場合(最判平10・9・3) ・償却金額以外にさらに借家人に対し、畳の張り替え費用などをその負担とする特約は否定されやすい。 C 鍵の交換費用を借家人の負担とする特約は原則として有効。 C 媒介業者の責任金銭の契約終了時の精算に関する事項は、重要事項として説明すべき事項であるから(業法35条1項12号、業法施行規則16条の4の2第4号)、これを怠った結果借家人に損害が生じた場合には賠償する責任がある(但し、事前に契約書の案文が借家人に交付されている場合には、契約書に記載があるから、媒介業者の責任は否定されよう。敷金の精算の条項についてはラインマーカー等で明示しておくのが無難)。
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