tomatoyoko.gif (61032 バイト)    阪神間(西宮市−甲子園界隈)の賃貸住宅 と分譲マンションのトラブル回避のヒント集、 マンスリー マンションを掲載. リンクフリー

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ノン・リコースローン
 

 

1、リコースローンのノンリコース化は不可避 増田

 日本では、ほとんどのローンがリコースローンになっている。これは貸し手側が担保権を行使した後でも、担保物件の処分価格が返済すべき元利合計にみたなければ、貸し手は借り手に対してその差額の求償権をもつという制度だ。これに対して欧米では担保権の設定された銀行ローンのほとんどは、求償権なしローンというふうに訳されるノンリコースローンで、借り手は担保物件を貸し手に引き渡した時点ですべての債務から解放される。


 日本の金銭賃借関係も欧米型のノンリコース中心に改めるべきだ。まず、リコースローンでは債務不履行に陥った場合の個人や零細企業の負担が大きすぎる。一番悲惨な例が、阪神大震災のときに所有していた住宅資産はほんとんど無価値となってしまったのに、ローンだけが残って仮設住宅や賃貸住宅に住みながら倒壊した家のローンを支払いつづけなければならない被災者のケースだろう。その窮状をレポートした島田慈子著『倒壊』(筑摩書房)は、日本中の住宅ローンを抱えている世帯にぜひ読んでもらいたい本だ。こうしたケースでも、貸し手側に担保権を行使してもらうことで口ーン負担から解放されるノンリコースローン制度になっていたら、被災者の受けた打撃はかなり軽減されただろう。担保のうち底地には残存価値があるにしても、がれきと化したうわものの分までローンを棒引きにしていたのでは貸し手側に負担が大きすぎるという反論があるかもしれない。しかし、貸し手側が負担するのは膨大な数にのぼるローン契約のうちごく一部についての損失なのだ。これに対して、借り手側は自分が住む物件を取得するためのローンを、二つも三つも並行して抱えるというようなリスク分散はできない。数多くの物件にローン契約を分散することで、たとえ阪神大震災規模の大災害が起きても被害を全契約のうちほんの一部にとどめられる貸し手側と、自分の家が倒壊したらほかに資産はもっていない借り手側と、どちらがこうしたリスクを吸収する能力をもっているかは明らかだ。もちろん、「初めからノンリコースローンとしての契約だったら、リスクプレミアムを上乗せしていたはずだ。リコースローンという認識だからこそ低い金利で貸していたのだ」といった不満や苦情が続出するようなら、阪神大震災がらみのローンのノンリコース化による金融機関の損失は、特例として国庫から補填してもよい。肝心なのは、突然の大災害による損失はリスクを分散できる貸し手側に吸収させ、リスク分散の余地のない個人や零細企業の損害が過大になるのを防ぐ方策を、つぎの大災害が襲来する前から講じておくことだ。その大災害は、大地震や大津波のような天災かもしれないし、金融恐慌のような人災かもしれない。起きてしまってからでは遅いのだ。


 このリコースローンのノンリコース化は、じつは貸し手側にも得になる話だ。低金利の運用難がつづくなかで、リスクプレミアムを金利に上乗せできるノンリコースローンの普及は機関投資家にとっても大歓迎のはずだ。もちろん、債務者側にとっては、なけなしの資産を担保で取られてしまったうえに担保物件処分で埋め合わせられなかった残債の口ーンを背負いつづける可能性に比べれば、金利にプレミアムがつくほうがはるかに安心だろう。
 問題は、法曹界だ。この「業界」に属する人たちだけは、いまだに確率論的な議論を寄せつけない17世紀的世界観にもとづいて貸し手側にとってもありがた迷惑な債権保全一本槍のリコースローン制度に固執しつづけている。ローン契約のノンリコース化は不動産市場の活性化、金融機関による担保審査の厳正化のためにも避けて通れない課題だというのに。


 このようなリコースローン原則さえなければ、ゆとりローンはこれほど大きな問題にはならなかった。もし日本が諸外国並みのノンリコース原則を採用していれば、ゆとりローン破綻問題は、景気後退局面での一エピソードですむのだ。アメリカの景気が最悪だった一九八○年代未から一九九〇年代初期にも、リストラによってローン支払いに窮した人々が続々とマイホームを失うという事態が起きた。しかし、彼らの多くはその後の景気回復局面で職を手にし、再びローンを組んで持ち家を手に入れているのだ。


「地下は下がる=日本は再生する」 増田悦佐 + 大竹愼一 フォレスト出版 ¥1700.−より 転載

 

  2、ノン・リコースローン提案 住宅新報H10/6「本多 信博記者」より抜粋

  政治が、内需拡大の柱である住宅や街づくりへの正しい処方箋(せん)を書けないのは、市場の構造変化の意味を的確にとらえていないからではないか。
  昨年十一月の「山一ショック」以来、住宅ローンを組むことへの不安が急速に強まった。今回の平成不況が大企業の社員をも突然路頭に迷わせる根深いものであることを、まざまざと見せつけたからである。年収の三〜五倍にも及ぶ多額の借り入れを二十〜三十五年という超長期に渡って返済していく
現行の住宅ローンは所得の右肩上がりと、買った資産の値上がりを前提にしていた。

  しかし、その前提が崩壊したことはいまや明らかだ。にもかかわらず、住宅ローンの抜本的な見直しは進んでいない。国民の多くが利用する住宅金融公庫の融資制度も、いまだに最長貸し出し期間は三十五年だ。二十五歳で入社したサラリーマンが六十歳になる期間である。

税制もあわせて見直し
 当初五年問だけ返済額を抑える
「ゆとり償還制度」は右肩上がり経済を前提にした象徴的制度だがいまも存続している。同制度の利用者は当然六年目からの返済額がアップする。しかもそれに追い打ちをかけるように現行の「住宅取得促進税制」では税金の還付が六年間で打ち切られるから、七年目からは実質負担がさらにアップする。
  同促進税制も、六年間の所得アップを前提にしたいわば右肩上がり時代の制度。融資制度と税制によるダブルパンチを避けるためにも住宅取得促進税制は「ローン利子を払っている間は所得から控除しつづける
欧米型に切り替えるべき」という見直し論が高まっている。

  ノン・リコースローン提案では、肝心の住宅ローンはどう見直していくべきだろうか。サテライト・コンサルティング・パートナースの真部敏巳専務は「住宅ローンは公庫も民間もすべてノン・リコースローン(担保価値以上の債務を追求しないローンにすべきだ」と言う。そうすれば、たとえ担保割れになってしまった住宅ローンの債務者でも、家を手放しさえすれば、それ以上の債務は追求されないから早めに手を打ちやすくなる。
  貸し手も当然の任務として融資する物件の評価が適正にできなければならない。融資するときの掛け目以下に担保価値が下がってしまった場合の
損失は貸し手がかぶるべきだ。真部氏はこのノン・リコースローンを新規だけではなく、既存の住宅ローンにも適用することが住宅市場の活性化につながると主張している。

  「銀行には無税償却や公的資金投入という恩恵を与えておきながら、同じバブル崩壊の犠牲者である個人の住宅ローン債務者になんの救済措置もとらないのは不公平

  返済が不可能になったら住宅を手放して、もういちどやり直せるよう敗者復活の手を差し伸べるくらいのことはして当たり前」。

  ライフプランと連携住宅ローンの宿命ともいうべき超長期の借り入れに伴うリスクに対しては保険の活用が有効だ。例えば、ミサワホームが導入した「傷害所得補償保険」が一つの参考になる。これはローンの返済期間中に事故や病気などで収入を得ることができなくなった場合に一定の所得を補償するというものだ。不透明な時代だけに期間が長くなればなるほどこれからは綿密なライフプランが必要になる。
  「出産、子どもの入学、定年など前もってある程度予測できる家計収支の大きな転換期と住宅ローンの返済計画を綿密にすり合わせることが、これからの住宅ローンの最大のポイント」と話すのはソニー生命霞が関支社のファイナンシャルプランナー田島武史氏。同氏によれば「既存の生命保険は住宅ローンに付いている
団信と重複している部分が多いから、そこをコスト削減した分でローンの借り入れを減らしたり、ローンの返済計画とマッチしたライフプラン型保険に組み替えることもできる」と言う。

住宅新報H10/6「本多 信博記者」より抜粋

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