U 原状回復に関する契約条件等の開示 現行、賃貸借における原状回復に関する契約条件等の開示については、特に法的な規制はな されておらず、契約時において、賃貸人サイドから明確な開示や説明がなされたり、賃借人か ら説明を求めたりするケースは少ないものと思われる。なお、宅地建物取引業法では、宅地建 物取引業者が賃貸借の代理、媒介を行う場合、重要事項説明項目として、解約時の敷金の清算 等に関する事項の説明が義務付けられているが、契約時にその内容が決定していない場合には その旨説明すればよいこととなっている。  ところで、原状回復にかかる費用は、入居当初には発生しないものの、いずれ賃借人が一定 に負担する可能性のあるものであり、賃料や敷金などと同様にその内容、金額等の条件によっ ては、賃貸借契約締結の重要な判断材料となる可能性がある。こうしたことからも、一原状回復 の問題は、単に契約終了時だけではなく、賃貸借契約当初の問題としてとらえる必要がある。  以上から、特に賃貸借契約締結時における契約条件の開示等については、次のような対応が 求められる。 @原状回復にかかるガイドラインやチェックリストの活用、普及につとめることにより、賃 貸人が原状回復の内容等を契約締結前に開示し、双方の十分な認識のもと、契約事項として 取り決めるよう啓発する。 A宅地建物取引業者の代理・媒介により賃貸借契約を行う場合の重要事項説明項目である「解 約時の敷金の清算に関する事項」には、原状回復にかかる事項が含まれるものであることを 徹底するとともに、ガイドライン等を参考としながら、あらかじめ原状回復の内容等を決定 したうえで、重要事項及び契約条件として契約当事者に十分説明することが望まれる。 以上、旧建設省の「原状回復問題をめぐるトラブルとガイドライン」平成10年7月第2刷 p55より =OCRソフトでのテキスト変換ですので誤字脱字にご注意を