マンション: 短期滞在型の中途解約トラブル増える 「敷金・礼金不要」?よく確 認を ◇「システム権利金」って何? 敷金・礼金なしで部屋を月単位、週単位で貸すいわゆる「短期滞在型マンション」で、中途解約時 の返金をめぐるトラブルが増えている。前払いの料金に含まれる権利金・保証金の扱いがあいまい なことが原因だ。【戸嶋誠司】 国民生活センターや東京都消費生活総合センターには最近、「契約期間前に解約したが、残金を 返してくれない」「契約前に入金してキャンセルしたところ、大部分が返金されない」という相談が相 次いでいる。 相談の対象は「ウィークリー」「マンスリー」の名前で全国展開する大手業者。都消費生活総合セ ンターによると、この業者は契約時に短期利用システムを使うための「システム権利金」を部屋代と 合わせて請求し、中途解約の場合は権利金の部分を返金せず、部屋代のみを返す精算方法をとっ ている。 同センターが主な5業者を調べると、この大手業者の精算方法がとりわけ複雑で、契約時に解約 条件や返還金額について十分な説明をしていないケースがあった。このため、同センターが仲裁に 入って未利用分の返還を求めた。この業者は「十分説明したつもりだったが、中には納得いただけ なかったケースもあったようだ。今後は誤解のない契約を結びたい」(同社賃貸事業本部)と残額を 返金した。 同センターの法律アドバイザーで消費者問題に詳しい弁護士の高見沢重昭さんによると、消費者 契約法に照らせば、中途解約に際して客側に一方的な損害を与えかねない契約条項は無効と判 断されることがある。また、返金についての説明が不十分な場合も、重要事項の説明義務違反にあ たり、契約を取り消すことが可能という。 高見沢さんは「敷金・礼金不要という宣伝をうのみにせず、契約時に中途解約条件をよく確認する ことが大切」とアドバイスする。 短期滞在型マンションは全国に約10万室あると見られる。宿泊施設か賃貸住宅かの法律上の線 引きがあいまいで、業界の統一ルールもない。強引な契約を結ぶ一部業者が問題化している。 毎日新聞 2004年4月2日 東京朝刊