誰が壊した費用を払うべきか                                  田中優  アメリカは旧ユーゴ爆撃をした後、復興会議を開いたがその資金を提供しなかっ た。アフガンでも自ら爆撃しておきながら、その復興費用は日本などが分担すべ きものだと主張して負担しなかった。しかもアフガンのカルザイ議長は復興会議 が始まっているのだから爆撃を中止するよう要請したが、それすら認めなかった。 片手で爆撃を続けながら、その一方で建物を復興して何の意味があるだろう。  日本政府が援助してパレスチナに建てた建物も、昨年のイスラエルの一方的な 攻撃の際に爆撃されて粉々にされた。この資金もアメリカの援助によるものだ。 しかし日本政府はそれに抗議すらしていない。そして今回のイラクでも、日本は 復興費用の拠出を求められている。しかも復興に関わる企業はほぼアメリカ企業 が独占し、国連の関わりすら拒否している。その一方、副大統領を出したハリバー トン社はさっさと受注を決めている。  戦争はアメリカにとって、巨大な公共事業として機能している。国民の5%以 上が常勤務し、毎年日本の実質予算と同額が支出される。日本の公共事業との違 いは、人々の生命を直接破壊しながら、資金の出所が他国であることだ。しかも ドルは国際的な決済通貨であるために、ただ印刷しただけで価値あるものとして 扱われる。これを放置するなら、戦争は失業や不況の時に求められる危険な手段 となるだろう。  これを止めていくためには、資金提供しないことが重要だ。アメリカが破壊し た建物再建するのに日本がカネを払い、しかもアメリカに受注する権利があると するなら、なるべく多くの破壊を行った方がトクになってしまう。今、国際的な 決済にユーロが多用されつつあるのは、アメリカの不合理性に国際経済が見切り 始めたせいではないか。日本がいつまでもアメリカに従うのは、もはや得策とは 言えないだろう。